台風・水害で車が浸水した

台風・水害で車が浸水した。車両保険が使えるケース・使えないケース

台風・水害で車が浸水した。
車両保険が使えるケース・使えないケース

元ディーラースタッフ&元保険オペレーターが監修
台風・大雨のシーズンになると、毎年必ず起きる。「車両保険に入っていたのに、補償されなかった」という話が。

原因のほとんどは2つだ。「地震・津波が原因だった」か、「水没後にエンジンをかけてしまった」か。どちらも、事前に知っていれば防げた話だ。

この記事を読んだ後、自分の保険証券を一度確認してほしい。それだけで、いざというときに後悔しなくて済む。

車両保険が使えるケース

台風・大雨・洪水による車の水害は、一般条件・車対車+Aのどちらの車両保険でも補償対象になる。

✅ 補償される主なケース
  • ・ 台風による大雨で道路が冠水し、車が水没した
  • ・ 河川が氾濫して駐車中の車が浸水した
  • ・ 集中豪雨でガード下が冠水し、走行中に水没した
  • ・ 高潮により車が流された
  • ・ 豪雨による土砂崩れに車が巻き込まれた
  • ・ 雹(ひょう)によって車体が損傷した
  • ・ 暴風で飛んできた物が車に当たった
  • ・ 台風で木が車に倒れてきた
😅
雹(ひょう)で全損になったケースもあった。車のボンネットや屋根がボコボコになって、修理費が時価額を超えて全損扱いになる。直径が大きい雹が降ると、あっという間に何十台もやられることがある。

車両保険が使えないケース

❌ 補償されない最大の落とし穴:地震・噴火・津波

地震・噴火・またはこれらを原因とする津波による車の損害は、車両保険では補償されない。これは業界共通のルールだ。台風による洪水と、地震による津波は似ているようで全く別の扱いになる。

災害の種類 車両保険(一般・車対車+A) 備考
台風・大雨・洪水・高潮 ○ 補償される 一般・車対車+Aどちらでも対象
雹(ひょう)・雪災 ○ 補償される 一般・車対車+Aどちらでも対象
竜巻・暴風による飛来物 ○ 補償される 一般・車対車+Aどちらでも対象
地震・噴火による水没・損害 × 補償されない 特約(地震等車両全損一時金特約)で一部対応可
地震・噴火が原因の津波 × 補償されない 特約(地震等車両全損一時金特約)で一部対応可
車両保険なし × 補償されない 水害に限らず全ての車両損害は対象外
📋 現場エピソード:「自動車保険に入っていたのに…」

「自動車保険に入っているから大丈夫」と思っていたお客さんが、水害で車が浸水して保険会社に連絡した。しかし補償されなかった。

原因は、車両保険を付けていなかったことだ。「自動車保険=車の補償がついている」という思い込みがあった。自動車保険は対人・対物賠償が中心で、自分の車の損害は「車両保険」を別途付けなければ補償されない。

今すぐ保険証券を確認してほしい。「車両保険」の文字があるかどうか。ない場合は、次の更新で見直すタイミングだ。

📌 地震による被害に備えるには特約が必要(ただし特約がない保険会社もある)

地震・噴火・津波による車の損害に備えるには、「地震等車両全損一時金特約」を付帯する必要がある。ただしこの特約自体を設けていない保険会社もあるため、地震リスクに備えたい場合は契約前に確認が必要だ。また、この特約は「全損になった場合の一時金」であり、修理費を全額カバーするものではない。大規模地震の発生後は引受を制限する保険会社もある。

新車が水没全損になった話

📋 現場エピソード

ディーラー時代に、新車購入から半年〜1年のお客さんの車が水没全損になったケースがあった。仕事か旅行で遠出したとき、大雨に降られて水かさがどんどん上がってきた。車を置いて避難したが、戻ってきたら完全に水没していた。エンジンはうんともすんとも言わなかった。

新車を買ってすぐの水没全損という珍しいパターンだったが、車両保険があったからこそ対応できた。車両保険がなければ、修理費も全損時の保険金も一切出なかった。

⚠️ ローンが残っている車が全損になった場合

車両保険で全損保険金が支払われても、保険金は時価額ベースのため、ローン残債が時価額を上回っている場合は差額が自己負担になる。新車購入直後はこのギャップが最も大きくなりやすい。詳しくは「全損なのに保険金が足りない理由」を参照してほしい。

水没後にエンジンをかけてはいけない理由

💬
水没した車、とりあえずエンジンかけてみたんですけど…
❌ 水没後のエンジン始動は絶対にやってはいけない

エンジン内部に水が入った状態でエンジンをかけると、「ウォーターハンマー現象」が起き、エンジン内部が破損する。水没だけなら修理できた車が、エンジンをかけたことで廃車レベルの損傷になることがある。二次損害として保険の対応が複雑になる可能性もある。

😅
水没後のエンジン始動は、ほとんどの人がやってしまう。知らないし、伝える機会もない。お客さんが言っていたのは「何も頭に浮かんでこなくて、いつも通りにエンジンかけちゃった」と。パニックになって当然だし、責める話ではない。ただ、事前に知っていれば防げる損害だ。
✅ 水没・浸水後にやること
  1. エンジンをかけない(これが最重要)
  2. 安全な場所に避難する(まず人命優先)
  3. 保険会社に連絡する(ロードサービスを手配してもらう)
  4. 車の状態を写真で記録する(浸水の高さ・外観の損傷)
  5. 販売店・ディーラーにも連絡する(修理の相談)
📌 今すぐできること(台風シーズン前に)
  • 保険証券を開いて「車両保険」の文字があるか確認する
  • 「一般条件」か「車対車+A」かを確認する(山間部在住なら特に重要)
  • 地震等車両全損一時金特約の有無を確認する(地震・津波リスクが気になる場合)

保険証券は年に一度も見ない人が多い。台風シーズン前の今が確認するいいタイミングだ。

動物との衝突:一般条件と車対車+Aで補償が変わる

💬
山の近くに住んでいて、鹿が飛び出してきて車がへこんだ。保険使えますか?

これは車両保険のタイプによって補償が変わる。台風・水害は一般・車対車+Aどちらでも補償されるが、動物との衝突は保険会社によって扱いが異なる。

保険会社 種別 一般条件 車対車+A 備考
損保ジャパン 代理店型 公式サイト確認済み
三井住友海上 代理店型 公式サイト確認済み
あいおいニッセイ同和 代理店型 公式サイト確認済み
共栄火災 代理店型 特約(動物衝突危険車両損害補償特約)で対応。公式サイト確認済み
ソニー損保 ダイレクト型 公式サイト確認済み
三井ダイレクト ダイレクト型 2023年1月1日以降の契約から対象。公式サイト確認済み
東京海上ダイレクト ダイレクト型 公式サイト確認済み
セコム損保 ダイレクト型 公式サイト確認済み
全労済 共済 公式サイト確認済み
アクサダイレクト ダイレクト型 △ 条件あり 車対車+Aは原則×。ただし「飛来中・落下中の動物」は対象。公式サイト確認済み
チューリッヒ ダイレクト型 × 限定カバー型は対象外。公式サイト確認済み
SOMPOダイレクト ダイレクト型 × 公式サイト確認済み
SBI損保 ダイレクト型 × 公式サイト確認済み
楽天損保 ダイレクト型 × 公式サイト確認済み
東京海上日動 代理店型 2021年4月以降の契約から動物衝突も補償対象
JA共済 共済 × 公式サイト確認済み
😅
「保険料を抑えたくて車対車+Aにしたが、鹿と衝突して補償されなかった」というパターンは実際にある。同じ「車対車+A」でも、保険会社によって動物衝突が補償されるかどうかが違う。上の表で自分の保険会社がどちらに当てはまるか、今すぐ確認してほしい。
⚠️ 山間部・郊外在住の方は要確認

動物との接触リスクが高い地域に住んでいる場合は、車対車+Aでも動物との衝突が補償される保険会社・プランを選ぶことが重要だ。保険料の差額と補償内容を比べて判断してほしい。

水害で保険を使うと等級はどうなるか

📌 自然災害による水害は「1等級ダウン事故」
  • ・ 台風・洪水などの自然災害による車両保険の使用は1等級ダウン扱いになる
  • ・ 3等級ダウンではないため、等級への影響は相対的に小さい
  • ・ ただし事故有係数が1年間適用される
  • ・ 修理費が高額(数十万〜百万円以上)になる水没の場合は、保険を使う方が得になるケースがほとんど
今の保険で水害・動物衝突に備えられているか気になった方へ
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この記事のポイント
  • 台風・洪水・大雨による水害は一般条件・車対車+Aどちらの車両保険でも補償される
  • 地震・噴火・津波が原因の水害は補償されない。特約(地震等車両全損一時金特約)で一部対応可
  • 水没後にエンジンをかけるとウォーターハンマー現象でエンジンが破損する。絶対にかけてはいけない
  • 動物との衝突は保険会社・プランによって車対車+Aでの補償可否が異なる。山間部在住の方は要確認
  • 自然災害による車両保険の使用は1等級ダウン・事故有係数1年間の扱い
  • 水没の修理費は高額になりやすく、保険を使う方が得になるケースがほとんど
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※ 本記事の内容は筆者の業界経験および各社公式サイトをもとに作成しています。補償内容は保険会社・プランによって異なります。必ず契約前に各社に確認してください。

※ 2026年5月時点の情報をもとにしています。

※ 本記事はアフィリエイト広告を含みます。

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