自動車保険の補償は大きく5つある

自動車保険の補償は大きく5つある。それぞれの役割と、知らないと損する落とし穴

自動車保険の補償は大きく5つある。
それぞれの役割と、知らないと損する落とし穴

元ディーラースタッフ&元保険オペレーターが監修
「自動車保険に入っている」という安心感は、補償の中身を知って初めて本物になります。

自動車保険の補償は大きく5種類。それぞれ守る対象がまったく違います。「入っていれば何でも出る」と思っていると、いざというときに補償されないことがあります。

この記事では5つの補償の役割と、現場で実際に見てきた「知らなかったせいで損したケース」を解説します。

5つの補償の全体像

①〜④は「誰を守るか」×「何を守るか」のマトリクスで整理できます。

相手への補償(賠償) 自分・同乗者への補償
対人賠償保険
相手のケガ・死亡への賠償
傷害補償
(人身傷害・搭乗者傷害など)
自分・同乗者のケガへの補償
車・モノ
対物賠償保険
相手の車・建物への賠償
車両保険
自分の車の修理・損害
ℹ️ ⑤特約・サービス・その他について
上記4つの補償に加えて、各保険会社が独自に用意しているのが「特約・サービス・その他」です。ロードサービス・弁護士費用特約・無過失事故特約など、補償の中身を広げるオプションがここに含まれます。

①対人賠償保険

事故で相手を死傷させた場合の損害賠償を補償します。治療費・慰謝料・逸失利益などが対象です。

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)でも対人補償は出ますが、自賠責には上限があります。死亡事故では自賠責の上限(3,000万円)を超えることも珍しくありません。任意保険の対人賠償は、自賠責の上限を超えた分をカバーします。

🎙
対人賠償を「無制限」にしない理由がない、というのが正直な感想です。保険料の差は小さいのに、上限を設けると重大事故のときに足りなくなる。ここだけは必ず無制限をすすめていました。

②対物賠償保険

事故で相手の車・建物・ガードレール・電柱などを壊した場合の損害賠償を補償します。対人と同様、保険金額は無制限が基本です。

店舗に突っ込んだ・高架橋の支柱に当たったといったケースでは、修理費だけでなく営業補償も請求されることがあります。上限を設定していると自己負担が発生します。

⚠️ 対物超過修理費用補償について
相手の車が古く時価額が低い場合、対物賠償では「時価額まで」しか支払われないことがあります。この不足分をカバーする「対物超過修理費用補償特約」を付けられる保険会社もあります。

③傷害補償

自分や同乗者がケガをした場合の補償です。一口に「傷害補償」といっても、保険会社によって複数の種類があります。

人身傷害補償保険
過失割合に関係なく、実際の損害額(治療費・休業損害・慰謝料など)が支払われる。傷害補償の中心。
重要 「車内のみ」か「車外(他車同乗中・歩行中も)補償」かで補償範囲が大きく変わる
搭乗者傷害保険
ケガの部位・程度に応じて定額の保険金が支払われる。人身傷害への上乗せ補償として機能する。
任意
傷害一時金・部位別傷害など
保険会社によって名称・内容が異なる。入院・通院日数や部位に応じた定額補償が中心。
会社による

人身傷害補償保険の「車外補償」に注意

人身傷害補償保険には補償範囲の違いがあります。

タイプ 補償される場面
車内のみ補償 自分の車に乗っているときの事故のみ
車外補償あり(特約) 自分の車+他人の車に乗っているとき・歩行中の交通事故も対象

友人や家族の車によく乗る方は、車外補償特約が付いているかどうか今すぐ確認してください。

「保険に入っていたのに通院費が自腹になった」実録

📝 オペレーターとして受けた電話

友人の車に同乗中、事故に遭ってケガをしたというお客さんからの電話でした。

ご自身は自動車保険に加入していたものの、人身傷害補償保険は「車内のみ補償」のタイプで、車外補償特約は付いていませんでした。友人の車には人身傷害補償保険そのものが付いていなかった。

結果として、通院費用は自腹になりました。「保険に入っていたのに」という気持ちはよく分かります。ただ補償される場面が「自分の車に乗っているとき」に限られていたため、今回のケースには使えなかった。車外補償特約が付いていれば、他人の車に乗っているときも補償対象になっていました。

❌ よくある誤解
「自分が保険に入っているから、どこで事故に遭っても補償される」は正しくありません。人身傷害補償保険の補償範囲は契約内容によって異なります。友人・家族の車によく乗る方は、車外補償特約の有無を今すぐ確認してください。

④車両保険

自分の車が事故・災害・盗難などで損傷した場合の修理費を補償します。相手のいない自損事故(電柱への衝突・駐車場での単独接触など)にも対応できる唯一の補償です。

タイプ 主な特徴
一般条件 ほぼ全ての損害が対象。自損・当て逃げ・盗難・自然災害(地震除く)など
エコノミー型(車対車+A) 相手のいる事故が中心。自損事故は補償されない。動物衝突・当て逃げの扱いは保険会社によって異なる
⚠️ 地震・噴火・津波は車両保険の対象外
通常の車両保険は地震・噴火・津波による損害を補償しません。備えるには「地震・噴火・津波危険車両全損時特約」が必要です。提供していない保険会社もあるため確認が必要です。

⑤特約・サービス・その他

①〜④の補償に加えて、各保険会社が独自に用意しているオプションです。必要なものだけ選んで付けることができます。代表的なものをまとめます。

ロードサービス バッテリー上がり・タイヤパンク・鍵の閉じ込めなどに対応。多くの保険に標準付帯
弁護士費用特約 もらい事故など相手との示談交渉で弁護士が必要になった場合の費用を補償
無過失事故特約 もらい事故で車両保険を使っても等級が下がらない。保険会社によって名称が異なる
地震・噴火・津波危険特約 車両保険の対象外となる地震等による全損時に補償。提供していない会社もある
対物超過修理費用補償 相手の車の時価額を超える修理費の差額を補償する特約
コールセンター(24時間受付) 事故受付・契約内容確認・ロードサービス手配などに対応。保険会社によって受付時間・対応品質が異なる

各社の事故受付電話番号一覧

事故が起きたとき、保険証券が手元にない場合でもすぐに連絡できるよう、番号を確認しておくことをすすめます。

保険会社 種別 事故受付番号 受付時間
東京海上日動 代理店型 0120-119-110 24時間365日
損保ジャパン 代理店型 0120-256-110 24時間365日
三井住友海上 代理店型 0120-258-365 24時間365日
あいおいニッセイ同和 代理店型 0120-024-024 24時間365日
共栄火災 代理店型 0120-044-787 24時間365日
ソニー損保 ダイレクト型 0120-101-789 24時間365日
東京海上ダイレクト ダイレクト型 0120-655-227 24時間365日
三井ダイレクト損保 ダイレクト型 0120-638-312 24時間365日
SOMPOダイレクト ダイレクト型 0120-00-2446 24時間365日
SBI損保 ダイレクト型 0800-2222-581 24時間365日
楽天損保 ダイレクト型 0120-120-555 24時間365日
セコム損保 ダイレクト型 0120-210-545 24時間365日
アクサダイレクト ダイレクト型 0120-699-644 24時間365日
チューリッヒ ダイレクト型 0120-860-001 24時間365日
JA共済 共済 0120-258-931 24時間365日
全労済 共済 0120-0889-24 24時間365日

※2026年5月時点・各社公式サイトをもとに確認。電話番号は変更される場合があります。最新情報は加入先の保険証券またはマイページでご確認ください。

🎙
特約は「何があるか知らないと選べない」という問題があります。証券を見ても特約一覧が分かりにくい会社も多い。まず弁護士費用特約と無過失事故特約の有無だけでも確認しておくことをすすめます。
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まとめ

この記事のポイント
  • ①対人・②対物は「相手への賠償」。保険金額は無制限が基本
  • ③傷害補償は「自分・同乗者のケガへの補償」。人身傷害補償保険が中心
  • 人身傷害補償保険は「車内のみ」か「車外も補償」かで範囲が変わる。友人の車に乗る方は要確認
  • ④車両保険は「自分の車への補償」。地震・噴火・津波は対象外
  • ⑤特約・サービスで補償の穴を埋める。弁護士費用特約・車外補償特約を優先的に確認
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※補償内容・特約の名称は保険会社によって異なります。詳細は加入先の保険会社または証券でご確認ください。

※本記事の内容は2026年5月時点の情報をもとにしています。

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