当て逃げされたら車両保険は使える?等級への影響と正しい対処手順

補償・特約

当て逃げされたら車両保険は使える?
等級への影響と正しい対処手順

元ディーラー×元ネット型損保のオペレーターが監修
駐車場に戻ったら車に傷がついていた。相手はいない。こういう「当て逃げ」の場合でも、条件を満たせば車両保険を使えます。そして等級への影響は通常の事故より軽くなります。ただし警察への届け出など、やるべきことをやっておかないと保険が使えなくなる場合があります。対処手順と等級への影響を整理します。

当て逃げで車両保険は使えるか

結論からお伝えします。車両保険(一般型)に加入していれば、当て逃げでも保険を使えます。ただし「相手が特定できないこと」と「警察への届け出が済んでいること」が前提条件になります。

📌 車両保険が使える条件(当て逃げの場合)
  • 車両保険に加入していること(エコノミー型の場合は当て逃げが対象かどうか要確認。詳細は下記)
  • 警察に届け出ていること(交通事故証明書が発行されることが条件)
  • ・ 故意による損傷ではないこと
  • ・ 免責金額を超える損害であること
📌 エコノミー型(車対車+A)の当て逃げ対応は会社によって異なります

エコノミー型でも当て逃げを補償対象に含む会社は多くあります。一方、チューリッヒ・SOMPOダイレクト・JA共済・セコム損保・全労済など対象外の会社もあります。自分の契約がエコノミー型の場合は、当て逃げが対象かどうかを保険証券または保険会社に確認してください。

等級への影響(ノーカウント事故になるケース)

当て逃げで車両保険を使った場合の等級への影響は、「3等級ダウン事故」として扱われます。相手が特定できないため「もらい事故(無過失事故)」とは異なる扱いになります。

事故の種類 等級への影響 翌年の等級
通常の事故(対人・対物賠償を使用) 3等級ダウン 大幅に下がる
当て逃げ(相手不明・車両保険使用) 3等級ダウン 3つ下がる
盗難・台風・落書きなど(車両保険のみ使用) 1等級ダウン 1つ下がる
もらい事故(相手特定・無過失・特約あり) ノーカウント(等級維持) 翌年も1等級アップ
無事故 なし 1等級アップ
📌 当て逃げともらい事故の違い

もらい事故で相手が特定でき、かつ「車両保険無過失事故特約」が適用される場合は、車両保険を使っても等級に影響しません(ノーカウント事故)。一方、当て逃げは相手が特定できないため無過失を証明できず、車両保険を使うと3等級ダウンになります。「もらい事故なのに3等級下がる」という事態を避けるためにも、当て逃げに気づいたら相手の特定を試みることが重要です。

当て逃げ後にやるべき4つのこと

【当て逃げ後の対処手順】
STEP 1
その場で写真を撮る
傷の場所・状態・周辺の状況(駐車場の全景・監視カメラの位置など)を撮影しておきます。後から証拠として使えます。
STEP 2
警察に届け出る(必須)
110番または最寄りの警察署・交番に届け出ます。交通事故証明書の発行に必要です。届け出なしでは車両保険が使えない場合があります。
STEP 3
保険会社に連絡する
事故受付窓口に連絡し、当て逃げの状況を伝えます。免責金額・保険金の見込み額を確認しておくと判断しやすくなります。
STEP 4
修理の見積もりを取る
保険会社指定の修理工場、またはかかりつけの工場で見積もりを取ります。免責金額と修理費を比較して、保険を使うかどうかを判断します。
⚠️ 警察への届け出は「物損事故」として行う

当て逃げは「当て逃げ被害」として届け出ます。相手がいなくても届け出は必要です。届け出をしないまま保険会社に連絡しても、交通事故証明書が取れないため保険金の支払いができない場合があります。面倒でも必ず届け出てください。

車両保険なしの場合の選択肢

車両保険に加入していない場合、当て逃げの修理費は全額自己負担になります。ただし以下の点は確認しておく価値があります。

📌 車両保険なしでも確認すべき2点
  • 弁護士費用特約:相手が後から判明した場合に、相手への請求を弁護士に依頼する費用をカバーできます
  • 駐車場の管理者への確認:監視カメラの映像が残っている場合、相手が特定できることがあります。管理者に早めに相談することをおすすめします

現場で見た「届け出なしで保険が使えなかった」ケース

📋 現場エピソード

オペレーター時代、「駐車場で当て逃げされたので保険を使いたい」という電話は週に何件もありました。ほとんどの方はスムーズに手続きできましたが、中に「警察には届けていない」という方がいました。

「大げさにしたくなかった」「面倒だった」という理由が多かったです。こういった場合、保険会社から事故証明を取るよう案内することになります。自分から動いてすぐに取ってくれる方は処理がスムーズに進みます。一方、「時間がない」「面倒くさい」とそのままにしていると、いつまで経っても処理は進みません。保険会社としても相手方の保険会社としても、事故の事実確認ができない状態では動けないためです。

傷の程度に関わらず、当て逃げに気づいた時点でまず警察に届け出ておくことが、後の手続きを最もスムーズに進める方法です。修理するかどうか・保険を使うかどうかは、その後に判断すれば十分です。

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この記事のポイント
  • 車両保険(一般型)があれば、当て逃げでも保険を使えます
  • 等級への影響は3等級ダウンです。相手が特定できないため、もらい事故(無過失・ノーカウント)とは扱いが異なります
  • エコノミー型(車対車+A)の当て逃げ対応は会社によって異なります。対象外の会社もあるため、契約内容を確認してください
  • 警察への届け出は必須です。届け出なしでは交通事故証明書が取れず、保険金が支払われない場合があります
  • 対処の順番:①写真撮影 → ②警察に届け出 → ③保険会社に連絡 → ④修理の見積もり
  • 車両保険がない場合は全額自己負担。駐車場の監視カメラ確認と弁護士費用特約の活用を検討してください
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※ 本記事の内容は筆者の業界経験および各社公式サイト・約款をもとに作成しています。各社の補償内容・条件は変更される場合があります。必ず直接各社に確認してください。

※ 2026年6月時点の情報をもとにしています。

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