もらい事故でも等級が下がる?
保険・共済16社の特約を全比較【現役プロが解説】
原因は加入している保険会社の特約の「あり・なし」にあります。
この記事では、代理店と通販型の両方で働いた経験をもとに、主要16社・共済の約款を直接確認。各社の特約名・付帯条件を一覧表にまとめました。この比較表、たぶん日本でここだけです。
なぜもらい事故でも等級が下がるのか:保険の使用が判断基準だから
この疑問、オペレーター時代に本当によく受けました。仕組みを順番に説明します。
もらい事故のお金の流れ(原則)
もらい事故、つまり自分の過失がゼロの事故では、原則として相手の保険会社がすべての修理費を支払います。この場合、自分の保険は使いません。等級に影響なしです。
問題が起きるケース
- ・ 相手が無保険(任意保険未加入)だった
- ・ 相手が事故後に逃げた(当て逃げ)
- ・ 相手が示談を拒否または連絡が取れない
こうなると相手からお金が回収できません。車を直すには自分の車両保険を使うしかない状況になります。
そして、自分の車両保険を使うと3等級ダウンします。もらい事故なのにです。これが「踏んだり蹴ったり」の正体です。
特約があると何が変わるのか
各保険会社が用意している「無過失事故に関する特約(または特則)」が付いていると、上記の最悪パターンを回避できます。
- もらい事故で車両保険を使っても
- ノーカウント事故として扱われる
- 等級は下がらない
- 翌年の保険料も上がらない
- もらい事故でも車両保険を使うと
- 通常の事故と同じ扱いになる
- 3等級ダウン
- 保険料が数年にわたって上がる
- ・ 相手の車両と所有者が特定できること(当て逃げは原則対象外)
- ・ 自分の過失がゼロと認められること(主観ではなく客観的・法的根拠が必要)
- ・ 車対車の事故であること(自転車との接触などは対象外の場合あり)
特約があっても「相手が特定できない当て逃げ」では使えないケースが多い点は注意が必要です。ただし、追突や正面衝突など相手が明らかな事故では非常に強力な保護になります。
主要16社・共済の特約・特則 完全比較表
各社の約款・重要事項説明書を直接確認してまとめました。名称が統一されていないのが業界の現状で、現場では毎回確認が必要でした。
※ 2026年5月現在の情報です。保険会社・共済による改定で変更される場合があります。
※ セコム損保の特約名は約款上の正式名称が確認できなかったため暫定表記。付帯条件・補償内容は確認済みです。
※ JA共済は普通約款第14条に内包された規定のため「特則」と分類。全労済は自動車同士の事故かつ相手車両が特定できる場合のみ適用。
| 保険会社 | 特約・特則の名称 | 種別 | 付帯条件 |
|---|---|---|---|
| 東京海上日動火災 | 車両無過失事故に関する特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| 三井住友海上火災 | 車両保険無過失事故特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| 損保ジャパン | 無過失事故の特則 | 特則 | 車両保険付きで自動セット |
| あいおいニッセイ同和損保 | 車両保険無過失事故特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| 共栄火災 | 車両保険の無過失事故に関する特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| ソニー損保 | 無過失事故に関する特約 | 特約 | ★ 全契約に自動セット |
| 三井ダイレクト | 車両保険無過失事故特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| 東京海上ダイレクト | 無過失特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| SBI損保 | 車両無過失事故に関する特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| 楽天損保 | 車両保険無過失事故特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| SOMPOダイレクト | 車両無過失事故に関する特約 | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| セコム損保 | 車両保険の無過失事故特約※ | 特約 | 車両保険付きで自動セット |
| アクサダイレクト | 該当する特約・特則なし | なし | ― |
| チューリッヒ | 該当する特約・特則なし | なし | ― |
| JA共済(クルマスター) | 無過失事故に関する取扱い(普通約款第14条) | 特則 | 車両共済付きで自動適用 ※特別割増・割引契約は対象外 |
| 全労済(マイカー共済) | 車両損害の無過失事故に関する特約 | 特約 | 車両損害補償付きで自動セット ※相手車両が特定できる場合のみ(あて逃げ対象外) |
他社は「車両保険を付けた場合に自動セット」ですが、ソニー損保だけは車両保険なしの契約でも全契約に自動セットされます。車両保険なしで等級を守りたい方には特に強い。
2026年5月現在、チューリッヒ・アクサダイレクトの約款および実際の見積書では、該当する特約・特則を確認できませんでした。もらい事故で車両保険を使うと、等級が下がる可能性があります。保険の見直しを検討する際の参考にしてください。情報に変更があり次第、この記事を更新します。
各社の注意ポイント:特約名・条件の違いで対応が変わる
「特約」と「特則」は何が違うの?
損保ジャパンだけ「特則」という表現を使っています。保険実務的には似たようなものですが、特約は契約書に追加する条項、特則は普通保険約款の例外規定という違いがあります。
実際の補償内容は大きく変わりませんが、名称の違いで「うちにはこの特約はない」と誤解するお客さんが結構いました。現場の経験談です。
名称が統一されていない問題
本当にそうで、これは現場でも困った問題です。上の比較表を見てわかるように、同じ内容の保護でも8種類もの名称が存在します。保険証券を確認するときは名称で検索するより、「車両保険のセット条件欄」を直接確認する方が確実です。
「車両保険なし」だと特約は意味がない?
大多数の保険会社では、車両保険を付けていない契約には特約も付きません。車両保険なしで運転されている方は、そもそもこの特約の恩恵を受けられない点に注意が必要です。
ただしソニー損保だけは例外で、車両保険なしでも適用されます(相手への賠償保険の範囲で機能)。
乗り換え先の候補を見つけよう
自分の保険に特約があるか確認する3つの方法
「自分の保険にこの特約があるか確認したい」という場合の具体的な方法を説明します。
方法①:保険証券で確認する
保険証券(または更新案内)の「車両保険」欄または「特約一覧」欄を確認してください。「無過失」「ノーカウント」という文字が含まれる項目があれば、該当する特約が付いています。
方法②:保険会社のマイページで確認する
ほとんどの保険会社でオンラインマイページが提供されています。ログイン後に「契約内容」「特約一覧」を確認すれば数分でわかります。
方法③:保険会社に電話で聞く
一番確実な方法です。「車両保険の無過失特約はついていますか?」と聞くだけで教えてもらえます。ただし各社で名称が違うので、「もらい事故で等級が下がらない特約」という説明の仕方の方が通じやすいです。
- ・ 次回の更新時に特約を追加できるか確認する
- ・ 他社への乗り換えを検討する(一括見積もりが便利)
- ・ 特約が標準装備されている会社に移るのも選択肢
まとめ
- もらい事故でも、相手が払えない状況では自分の車両保険を使うことになる
- 車両保険を使うと原則3等級ダウン、もらい事故でも例外ではない
- 「無過失事故に関する特約(または特則)」があれば等級が守られる
- 特約の名称は会社ごとにバラバラ。8種類以上存在する
- 調査16社のうち13社が特約・特則あり。ソニー損保のみ全契約対象、他12社は車両保険付きで自動セット
- チューリッヒ・アクサダイレクトは2026年5月現在、該当特約が確認できない
- 自分の保険証券またはマイページで今すぐ確認できる
保険は「入っていること」だけでなく、「何が付いていて何が付いていないか」が大事です。特に車両保険を付けているかどうかと、無過失特約の有無はセットで確認することをおすすめします。
もし今の保険に特約がなかった場合や、そもそも保険料が高いと感じている場合は、更新のタイミングで一括見積もりを試してみてください。各社の補償内容を横並びで比較できるので、無過失特約の有無も含めて確認できます。
補償内容と保険料を同時に確認。
※ 本記事は各保険会社の約款・重要事項説明書・公式サイトの情報をもとに作成しています。保険の改定等により内容が変更されている場合があります。
※ 保険の適用条件は個々の契約内容によって異なります。詳細は各保険会社にご確認ください。
※ 本記事はアフィリエイト広告を含みます。


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